官庁訪問
官庁訪問とは、国家公務員試験の一次試験と二次試験を通過し最終合格した人が、自分が入省したい中央省庁を訪問し、自分をアピールする面接の場です。3つ重要なことを書きます。
一つ、日程が許す限り多くの官庁を訪問する。
二つ、面接で生かすため、ニュースなどにアンテナを張る。
三つ、複数回行われる面接を自身の面接力や考えにフィードバックする。
この三つが官庁訪問において重要だと思います。
私が官庁訪問を行った際にも、情報源が少なかったので、ここでは一ページ設けて2012年の官庁訪問について詳しく説明したいと思います。
官庁訪問の日程について (2012.6/24-7/12)
官庁訪問は、地方に居住する学生を考慮して最終合格発表日の二日後から開始されます。官庁訪問には訪問可能日について厳格なルールが存在します。合格した人は、人事院から配られる官庁訪問の方法について熟読してください。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
24 | 25 発表 | 26 | 27 A省(1) | 28 休み | 29 B庁(1) | 30 |
1 | 2 C庁(1) | 3 D省(1) | 4 休み | 5 C庁(2) | 6 D省(2) | 7 |
8 | 9 C庁(3) | 10 | 11 C庁(4) | 12 内々定 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 | 31 |
6/25 最終合格者発表
6/27 官庁訪問開始
6/27-7/4 3日に1回の訪問、第1クール(6/27-29)、第2クール(7/2-4)
7/5-7/10 2日に1回の訪問、第3クール(7/5,6)、第4クール(7/9,10)
7/11- 毎日訪問
7/12- 内々定解禁
2012年はこのような日程で開催されました。それでは私の官庁訪問体験記を紹介します。
官庁訪問体験記
面接では、それほど難しい質問はされませんが、どこまで突っ込まれるかは各省庁により異なります。主な質問は以下の通りです。
公務員志望理由
どうしてこの省庁を希望するか
研究内容
なぜ大学に残らず就職するか
最近興味のあるニュース
学生時代頑張ったこと
趣味
趣味を何に生かせるか
どんな面接でもそうですが、ネガティブな発言は控えましょう。
6月27日 A省初日
官庁訪問を行う学生にとって、第1クール初日は第一志望の省庁を訪問する日なのでとても重要になります。私が初日に訪問したA省は、ホームページから履歴書をダウンロードして持参するという方式を取っていました。 前日1日かけて履歴書を完成させ、想定質問に対する答えも万全にして集合時間の15分ほど前に訪問しました。
人気省庁なので、既に多くの学生が控室で待機していました。私は40番くらいに来たでしょうか。到着すると好きな席に座らされ、同じ机に座る人と簡単に自己紹介をしました。
その後、人事担当の方から簡単に説明を受け、その日は計4回の面接が実施されることを知りました。
1回目.優しいおじさんという風貌の方と、部長室のような豪華な部屋で1対1の面接を行った。 質問内容もわかりやすく、相槌もよく打っていて印象はいいかなと感じた。大体20分。
2回目.優しいおじさんと、少し険しい表情のおじさんという2対1の面接を、小さな面接室のような場所で行った。 この二人の質問も平易で、印象は良かったと思う。大体30分。官庁訪問楽勝じゃんと思う。
この後、同じ机に座っている人から、4つのうち1つの面接は鬼のように難しいということを聞かされ、戦々恐々とする。
3回目.優しいおじさん二人で2回目の面接室と同じような場所で面接を行った。 質問も1、2回目と同じようなもので、面接慣れしてきたこともあり、そつなくこなす。大体30分。
4回目.優しいおじさんと、キレ者といった風貌の若手との面接だった。 今までの面接と同じように、自分の考える日本の問題と、それに対する政策について語ったが、 キレ者からそれ以外にはどんな政策がある?という質問を3ループほどされ撃沈した。
最後には、隣の優しいおじさんに助け舟を出してもらうという体たらく。終わった。
これで初日が終わりました。A省には8:30-20:30まで滞在したのでちょうど半日いたことになります。
面接通過者には29日までに連絡するという話でしたが当然電話はありませんでした。
周りには初日に5回以上面接を行っている人もいたので、面接の評価が高い人は他とは違う扱いを受けることもあるようです。切り替えて頑張るしかありません。
次の日は学校の用事があったので29日の面接の準備も兼ねて休みにしました。
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6月29日 B庁初日
B庁もあらかじめホームページから履歴書をダウンロードして持参するという方式でした。B庁では、最初にホールのような広い場所で30分ほど簡単な業務説明をしてもらいました。
その後、若手社員が実際に働いている場所で詳しい業務説明をしてもらいました。
その後、面接が行われ、30前後の若手二人と1時間弱面接をしました。
内容としては、変な質問はありませんでしたが、私が大学で頑張ったこととして研究を紹介すると、 「じゃあ、大学で研究しなよ。」と言われ、研究で得た知識を生かして、これこれこういうことがしたいという話を力説しましたが、 最後まで「君は研究が合ってると思うけどなー」と言われ、納得させることが出来ませんでした。
面接の後は、今後の日程について説明を受け、面接を通過した場合は今日中に連絡すると言われましたが、連絡は来ませんでした。
うーん厳しい。
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7月2日 C庁初日
C庁も同じように履歴書を持参しました。C庁では合計7回の面接を行いました。全ての面接官の反応が良く、最後はサラッと次は7月5日に来てくださいと言われて二次面接を通過しました。 (第二クールなので、私は初日訪問ですが、状況としては二次面接です。)
そこまで、A省、B庁と変わったことはないと思うのですが、これまでに何度も面接を行い面接慣れしたということはあったかもしれません。
また、少なからず相性というものが存在するので、自分に合った省庁を見つけるという意味でも多くの省庁を訪問することを強くお勧めします。
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7月3日 D省初日
D省では、訪問してから履歴書を渡されて書くという方式だったので、志望動機ややりたいことなどを書いたノートを持参して臨みました。ここでは第二クール二日目ということもあったためか、周りには自分しか訪問している人がおらず、スムーズに5回の面接を行いました。 (おそらく第一クールから訪問していた面接評価の高い人たちは別室で待機していたのでしょう。) 面接は、直接仕事をしている横で話をするというもので、これぞ原課面接という感じでした。
こちらのD省では、ちょうどニュースになっている問題を扱っており、その話を利用してうまく相手との話を盛り上げました。 その方法が良かったのか、二次面接を通過して、次回7月6日に来るように言われました。
新聞などで、訪問する省庁が現在関わっているニュースを把握することは重要だと感じました。
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7月5日 C庁二日目
C庁二日目(実質三次面接)は、別棟集合で、5人のお偉いさんのような人と面接を行いました。(後でわかりましたが、本庁課長クラス5人だったようです。)C庁では一昨日、7回も面接を行っていたので、スムーズに受け答えすることが出来ました。 その後、人事課の課長補佐クラスの人と面接を行いましたが、そつなくこなすことが出来、次回7月9日の予定をもらいました。
官庁訪問では、一日に何度も面接を行うために、自分の考えや面接力を磨き上げることが出来、またそれが重要となることがわかりました。
この官庁訪問はできる限り多くの官庁をまわることをお薦めします。自分にどの省庁が合っているかは、訪問してみないとわかりません。臆せずにどんどん訪問しましょう。
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7月6日 D省二日目
この後は、C庁の業務に強い魅力を感じたこともあり、D省の選考は辞退しました。カレンダーに戻る
7月9日、11日 C庁三、四日目
二日間とも同じような内容で、人事課のお偉いさんとの面接でした。ここまでくれば、自分の面接力にも磨きがかかり、流れるように面接が終わりました。カレンダーに戻る
7月12日 内々定
朝9時から内々定解禁ということなので、8時に起床して電話を待ちました。9時を少し過ぎたころC庁から電話があり、内々定を告げられました。こうして、約2週間の官庁訪問、そして3ヶ月におよぶ公務員試験が終わりました。
官庁訪問に関して総じて言えることは、
一つ、日程が許す限り多くの官庁を訪問する。
二つ、面接で生かすため、ニュースなどにアンテナを張る。
三つ、複数回行われる面接を自身の面接力や考えにフィードバックする。
だと思います。